先般、『中長期的な経営戦略』の中でご報告しました、『軽井沢リゾート開発計画』の中の『高級分譲マンション(レジデンス)事業』の進展について、詳しくご報告いたします。
旧軽井沢エリア(軽井沢ニューアートミュージアム周辺)におけるレジデンス事業(名称:『Kの森レジデンス』)は、隈研吾事務所による基本設計・実施設計を終え現在建築確認申請中であります。こちらは認可が下り次第、来春早々には売り出しを開始したいと考えています。なお、売り出しは総額90億円規模となる見込みです。
また、旧軽井沢エリアに続き中軽井沢の駅南口から徒歩7~10分ほどのエリアでも、やはり隈研吾事務所とタッグを組む形でレジデンス計画がスタートしました。こちらは『Kの森レジデンス』のちょうど1年後の計画となりますが、売り出しの総額は80億円~100億円の規模となる見通しです。
ここで少し、世界的建築家である隈研吾氏と当社の関わりについて紹介させていただきます。
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私たちと隈研吾氏の出会いは今から30年ほど前、1995年に開催された『第46回ヴェネツィア・ビエンナーレ(国際美術展)』でした。この美術展は『ヴェネツィア・ビエンナーレ発足100周年』という記念すべき大会で、コミッショナーである伊東順二氏の下、崔在銀、日々野克彦、千住博、河口洋一郎といった錚々たるメンバーが『数寄の美学』をコンセプトに展示を行い、その中で千住氏が『名誉賞』を受賞しました。隈氏はそこで会場空間構成を担当し、床全面に水の張られた見事な展示空間を演出されていました。千住氏の名誉賞の受賞も、隈氏の展示空間演出とのコラボレーションの賜物であったと私は思っています。
その後、再び隈氏と深く関わることとなったきっかけは2012年、『Karuizawa New Art Museum』のオープン記念展となる『軽井沢の風』展でした。当時の国立西洋美術館館長、青柳正規氏が会長を務める『軽井沢国際芸術文化都市推進協議会(KIAC)』の後援を受けたこの展覧会では、草間彌生や千住博、『具体美術』の吉原治良らの作品と共に、建築分野として隈氏にも出品していただきました。
更に2015年にはKaruizawa New Art Museumに隣接する形で、隈氏と仏現代美術家、ジャン=ミッシェル オトニエルのコラボレーションによるチャペル『風通る白樺と苔の杜』がオープンします。軽井沢の自然と一体化した360°ガラス張りのチャペルと、オトニエル氏による『2連のハートのオブジェ(作品名:kokoro no mon)』が見事に調和し、地域の観光名所の一つともなっています。
翌2016年には、浅間山を望む森の斜面を活用したゲストハウス『野鳥の森山荘(作品名:Roof/Birds)』を手掛けていただきました。この時のチームメンバーであった虎尾亮太氏の台湾とのご縁から、その後更に台北にオープンした画廊(ホワイトストーンギャラリー台北)も担当していただくこととなりました。ホワイトストーンギャラリーは、現在計画中のものも含め国内3ヵ所(東京2ヵ所、軽井沢)、海外5ヵ所(台北、香港、北京、ソウル、シンガポール)の画廊・美術館を運営していますが、そのほとんどに隈氏が深く関わっています。隈氏自身が建築家であると同時にアーティストでもあり、ホワイトストーンの全世界のトップクラスのコレクター、画廊のスタッフ・契約画家達も皆、隈氏の建築のファンなのです。
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本事業の当社業績への貢献について、先般ご報告の『中長期的な経営戦略』の中では概ね2027年3月期、2028年3月期において各90億円の売上、20~30億円の利益を見込んでおりますが、現在新たなレジデンス案件に向けた物件の取得にも動いており、2029年3月期以降も継続的に同程度の売上・利益が見込める体制を、着々と構築中であります。
現在、NEW ARTグループの事業の中心はブライダルジュエリー事業ですが、グループの持続的な成長に向けた『第二の柱』となるよう、本事業も大きく育てて行きたいと考えております。なお、計画では今後10年間、1戸8~10億円の物件を年間に10戸(80億円~100億円)、10年間で100戸(800億円~1,000億円)の物件を売り出す予定です。完成した建物の中には、ホワイトストーンギャラリーの契約画家達の作品が飾られ、軽井沢の自然とアートが融合した空間が生まれます。軽井沢には既にビル=ゲイツほか世界の著名人が移り住んできていますが、更に画家や建築家・世界トップクラスのコレクターとのパーティーなど、新たな交流の場も生まれることでしょう。言わばこれは『NEW ARTグループとホワイトストーンギャラリーグループの連携企画』とも言えるものです。
日頃から当社を支持していただいている株主の皆さまにこそ、世界の富裕層の方々とともに、是非当社が提供するレジデンスの住人となっていただきたいと私たちは考えます。
私たちはかねてより『軽井沢に現代の蓬莱郷を作りたい』との夢を持ち、この構想を軽井沢国際芸術文化都市推進協議会のメンバーとともに、10年以上に渡り温めて参りました。いよいよそれが実現に向けて動き出すこととなり、私たちは毎日ワクワクした思いが止まりません。本プロジェクトの今後の展開を楽しみに、どうぞ期待を持ってお待ちください。
株式会社ニューアート・リゾート
株式会社NEW ART HOLDINGS
代表取締役 白石 幸生